東京映画友の会

進行メモ 1月15日

シュワちゃんの活躍で無事に2000年が迎えられました。
では、友の会恒例の個人のテーマのコーナーから。

最初は特別に二人並んで「ナヴィの恋」の紹介から。沖縄版マサラ・ムービーでお婆さんと孫娘の恋を描いた92分の作品だけど、うれしさと悲しさが同居しているラストでハッピーな気持ちになる。初演技・登川誠仁のおじぃが笠智衆のようでいい。
「ワンダーランド駅で」は、看護婦と水族館で働く配管工の最後まで出会わないラブ・ストーリ―。主人公の年齢に近いので実感がこもっていた。
「ランダム・ハーツ」は、警察の内務調査員ハリソン・フォードと選挙運動中の下院議員クリスティン・スコット・トーマスの最初は反発していた主人公同士が次第に恋に落ちていく過程を描いた映画。
「奇人たちの晩餐会」は、金持ちが一番の馬鹿を招待した晩餐会の話で思っていたよりおもしろい。
「トゥルー・クライム」は、リボリバーを持たない、サンドペーパーかけたようなシボレーを運転する、孫ほど歳の離れた子どもを抱えたハリーを見ているだけでよい。
同じ職業のＭさんが「ＧＴＯ」の紹介。脚本目茶苦茶、演技下手だけど、金八先生のような青春ドラマなので泣ける（笑）。
Ｅさんから「シュリ」からみで、朝鮮語（ハングル）講座。投稿が新聞の宣伝に採用されたとのこと。映画の真似だけはしないように（笑）。
「シュリ」上映館拡大から「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」上映館変更の話へと。

山田和夫さんのお話は、大島渚監督の初期の作品と松竹大船撮影所売却の解説でした。

おかだえみこさんのお話は、年末に放送されたイタリア・オペラと「新春爆笑名人＆名場面20世紀不滅の９９連発」でした。１月恒例の20年前の出来事は、スリーマイル原発事故・日本坂トンネル火災・ジョン・ウェイン死去・「ルパン三世・カリオストロの城」公開。初めて出たものは、使い捨てカイロ・ウォークマン・共通１次試験。

さて、今月のメニューは５本とも観た人が何人もいて活発な意見が出ました。

「御法度」は、良かった人が半数で、悪かった人は少し、残りは普通。脚本・構成・俳優を誉める人あれば、けなす人あり。
大島渚監督は男社会の権力争いがわかっている。武田真治は綺麗で可愛い（♂）。
テクニシャン大島は観たくない。惣菜の盛り合わせみたいに話を詰め込みすぎ。司馬遼太郎の原作とせりふがまったく同じで監督らしさが出ていない。若手俳優は着物を着慣れていないので動くと駄目。
年取ると「ベニスの死す」のように美少年に憧れる。男の落とし方がよく分かった（♀）（笑）。学校の後輩・サークルの先輩が出演しているという発言者が何人かいました。

「ジャンヌ・ダルク」は、大人数のエキストラを使ったSFXなしカメラが動かないスペクタル大河ドラマ。セオリーを無視したヒロインが飛び込んだらセオリー持った軍隊は勝てない。でも二度は使えないからイギリス軍には負けた。ミラ・ジョヴォヴィッチが全身全霊ジャンヌしている。梯子から落ちるのは十字架ですね。

「海の上のピアニスト」は、普通と駄目が数人で残りの人は良かったとのこと。
船の中という有限な世界を生きた無限な心を持った人間の話。語っていないところは想像力でカバーした。少女のシーンは目茶苦茶いい。
フルート・テイラー・ヴィンス演じる親友マックスの目からティム・ロス演じる主人公1900を見ているので画面が落着かない。マックスのドラマがないので感情移入できない。映画のための曲しか使っていないところだけがいい。
辻褄が合わないところにのれるかどうかに評価の分かれ目のようです。 1900が船を降りなかった理由については、船がお母さんだから。おじけついて降りられない。陸の上では生きていけない。悲劇のヒーロー。降りないからドラマになる（笑）。親友が想像した物語だった。と、いろいろな意見がありました。タイタニックに乗らなくて良かったです（笑）。

「ゴジラ２０００／ミレニアム」は、女性から観てもおもしろい。ミサイルで逃げないゴジラを見ただけでも大満足。 ID4風のUFOとの対決で拍手。首を回して成田屋。ゴジラを振り返りながら逃げまどう大衆。隣で見ていた他人の子供が「ゴジラは大きい」（笑）。某米国映画の後なので悪かったという意見はなかったです。

「ファイト・クラブ」は、孤独で疎外された主人公の話だけどハリウッドなので究極の娯楽映画になっている。ラストシーンで笑っていんだと思った。スポーツとかで男同士が盛り上がるのはいいものだろうな（♀）。デイビッド・フィンチャー監督は落とし所を考えていないところに男気が感じられる。普通の映画は作れるのだろうか。エドワード・ノートンのストレスたまるところは「タクシー・ドライバー」のロバート・デ・ニーロみたいだ。
最後が強引に終わっている。
米国は好景気なのに貧富の差が大きくなって階級を意識した映画が多い。映画は世相の先を読んでいるので悪い方向に進んでほしくない。友の会のような口喧嘩ファイト・クラブは他にあるでしょうか（笑）、というオチで今月はおしまい。

（K.S記）